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セキュリティ

インドが Bitchat を両方のアプリストアから消させた。サーバーを必要としないアプリも、ストアは必要とする

インドの電子情報技術省が、Jack Dorsey の Bluetooth メッシュ型メッセンジャーを、情報技術法69A条に基づき App Store と Google Play から削除させた。命令そのものは非公開である。Bitchat は押収すべきサーバーが存在しないように設計されていた——だが配布は、ついに分散されていなかった。

MAI
Apple自身が公開したApp Storeの広報写真。インドの遮断命令が実行された配布経路である。

Appleは10月3日、インド電子情報技術省(MeitY)の指示を受けて、インドのApp StoreからBitchatを削除した。2025年7月にこのアプリを発表したJack Dorseyは、Appleからの通知をXに投稿した。

government of India officially removes bitchat from the App Store

同じ日のうちに、アプリはインドのGoogle Playからも消えた。Apple、Google、MeitYはいずれもコメントの要請に応じていない。

Appleの通知は、法的根拠として2000年情報技術法69A条を挙げ、アプリにはインドで違法とされる内容が含まれていると述べた。説明はそれで全部である。詳細については省に直接問い合わせるよう開発者に伝えている。インドでのTestFlight配布も停止された。それ以外の地域では、アプリに手は加えられていない。

設計が取り除けなかった唯一の依存

Bitchatは、押収されるものが何もないように作られている。Bluetooth Low Energyのメッシュ上で動き、どの端末もクライアントであると同時に中継器であり、メッセージは端末から端末へと跳ねていく。プロジェクト自身の説明は「インターネットなし、サーバーなし、電話番号なし」だ。ダイレクトメッセージはBluetooth上でNoise Protocol Frameworkを用いて端末間で暗号化され、遠距離の代替経路としてNostrプロトコルが使われる。アカウントは存在しない。ユーザー表を保持する企業がないということは、提出させるべき加入者記録もなければ、切るよう命じられるスイッチもないということである。

この設計は役目を果たしてきた。インターネット遮断が起きるたびにこのアプリは急伸する。2025年9月のマダガスカルの抗議では1週間でおよそ7万ダウンロード、ネパールでは1日でおよそ5万、ウガンダとイランでも利用が報告されている。インドではそれ自体が抗議の道具になった。7月のデリー・ジャンタル・マンタルでのデモの間、世界のダウンロードのおよそ85パーセントをインドが占め、7月23日には33万人を超える利用者が稼働した。同国での記録上の最大値である。

Bitchatが取り除いたものそれでも依存しているもの
中央サーバー配布のためのApp StoreとGoogle Play
アカウントと電話番号すでにインストール済みの端末
メッセージ送達のためのインターネット接続そもそもアプリを入手するためのインターネット接続
召喚状を出せる企業側の記録遮断命令に従う二つの企業

この削除でメッシュが壊れるわけではない。すでにBitchatを入れているインドの端末は動き続けるし、プロトコルはストアがどう考えようと関知しない。この命令がやったのは、まだ持っていない全員の前で扉を閉めることだ——そして人々がこのアプリを最も欲しがる瞬間は遮断の最中であり、そのときには何もダウンロードできない。ネットワークが切れているときにしか意味を持たないメッセンジャーは、ネットワークが生きているうちに入れておかねばならない。ストアから外すことは、それを止めることではない。その利用者数に上限を設け、天井をあらかじめ決めてしまうことである。

二つのプラットフォームが受ける影響は同じではない。AndroidはPlayストア外からのインストールを今も許している。インドのiOSには同等の経路がなく、iPhoneにとってはAppleの遵守がそのまま入手可能性のすべてになる。

その命令は、省の外の誰にも読めない

69A条は、主権、国家安全保障、公共秩序などを理由として、中央政府が情報の遮断を指示することを認めている。最高裁は2015年の Shreya Singhal 判決でこれを合憲とし、手続的保障を備えた狭く書かれた規定だとした。保障のひとつが、指示を出す前に理由を書面に記録することである。

そのうえで、2009年の遮断規則第16条が、その要請と措置を秘密扱いにする。理由は書かれ、そして見せられない。命令は情報公開請求に対してもしばしば開示されず、発信者本人に通知されないことも多い。この制度を論じた最近の Verfassungsblog の分析は、命令もその理由も得られないとき「決定に異議を唱え、実質的な司法審査を求めることはほとんど不可能になる」と述べている。

ここが押さえておくべき点だ。Appleが開発者にMeitYへ問い合わせろと言うのは、Appleが渡せる詳細を持っていないからである。そしてMeitYにはそれを公表する義務がない。見えるのは結果だけだ。ある日、ある国で、一つのアプリが二つのストアから消え、公開された正当化の文言は一行に満たない。

7月は予行演習だった

10月の命令は最初の試みではなかった。7月23日——このアプリがインドで最高値を記録したのと同じ日——インドのサイバー犯罪調整センター(I4C)はGitHubに対し、Bitchatのリポジトリ削除を指示した。その設計のせいで法執行機関が通信を傍受したり利用者を追跡したりすることが難しく、加入者情報も得られず、インターネット遮断下での連絡や「反国家的分子」による利用に使われうる、というのがその理由である。この通知は情報技術法の犯罪規定に依拠し、ソースコードを狙っていた。

10月の命令は代わりに遮断権限に手を伸ばし、普通の人がソフトウェアを手に入れる二つの場所を狙った。そちらのほうが切れ味のよい道具である。コードが何をするかについての議論は一切要らず、インドで事業を抱える二社への要求だけで足りる。

次にこの種のアプリを作る者は、この順序を正しく読むべきだ。サーバーを取り除くことは、制御点を一つ取り除くことである。最後の一つを取り除くことではない。システムは、それが利用者の手に渡される場所を除いてはどこまでも分散しうる。そしてその場所は、いまもカリフォルニアの二社のものだ。

Sources: TechCrunch: Jack Dorsey's Bitchat disappears from app stores in India after government order · ThePrint: Bitchat removed from Apple's India App Store following govt's demand · Inc42: Jack Dorsey's Bitchat goes offline in India, Apple cites MeitY order · Business Today: Apple removes Jack Dorsey's Bitchat from India App Store, cites MeitY order under IT Act · bitchat.free · GitHub: permissionlesstech/bitchat · Wikipedia: BitChat · Verfassungsblog: Blocked Without Explanation — How India's Blocking Regime Dilutes Safeguards and Expands Executive Power

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