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人工知能

アリババ、中国製シリコンで10兆パラメータのモデルを学習すると表明。そのシリコンの量産は2027年

杭州で開幕した雲棲大会(Apsara Conference)で、アリババはAIアクセラレータ「Zhenwu V900」と、5兆〜10兆パラメータのQwenモデル構想を発表した。だがチップの量産開始は2027年第1四半期であり、この時間差こそが今回の発表の実質的な中身だ。

MAI
杭州で開かれた2026年雲棲大会のステージで、大型スクリーンを背に講演するアリババCEOの呉泳銘(Eddie Wu)氏。

アリババは火曜日、杭州で開幕した雲棲大会で、単体ではなく組み合わせて初めて意味を持つ二つの発表を行った。新しいAIアクセラレータ「Zhenwu V900」と、5兆〜10兆パラメータ規模のモデルを学習させる計画である。呉泳銘(Eddie Wu)CEOはV900を、現時点で中国最強のAIチップだと述べた。ロイターによれば、量産が始まるのは2027年第1四半期だ。

この二つの事実のあいだにある距離こそが、実際のニュースである。アリババは、Nvidia製ハードウェアに対する米国の輸出規制から自社が脱け出したと宣言したのではない。脱け出すための工程表を示したのだ。

発表された内容

項目内容
Zhenwu V900前世代M890の3倍の性能
クラスタ規模学習・推論向けに最大50万チップを接続
設計元アリババの半導体部門T-Head(平頭哥)、中国国内で製造
量産開始2027年第1四半期
現行フラッグシップQwen 3.8 Max、2.4兆パラメータ
学習中Qwen 4
計画中Qwen 4.5およびQwen 5、5兆〜10兆パラメータを目標
アリババクラウド2032年までに世界のデータセンター容量20GW超

ここに挙げた性能値はいずれもアリババ自身が公表したものである。同社は独立したベンチマークもNvidia製品との直接比較も示しておらず、V900を製造するファウンドリについても「国内製造」と述べるにとどまった。

パラメータ数は「発表できる数字」である

5兆〜10兆パラメータという目標は、Qwen 3.8 Maxのおよそ2〜4倍にあたる。そしてこれは、何も明かさずに公表できる唯一の仕様でもある。学習トークン量についても、Mixture-of-Experts構成で1回の順伝播にどれだけのパラメータが実際に使われるかについても、50万チップのクラスタが動く機械なのか発表資料にすぎないのかを決めるアクセラレータ当たりのメモリ帯域についても、この数字は何も語らない。

アリババが実際に示しているのは順序である。Qwen 4は既存のハードウェアで現在学習中だ。兆パラメータ級の数字が登場するのはQwen 4.5とQwen 5であり、それらは2027年に量産が始まるチップの後ろに置かれている。このロードマップは自らの依存関係に正直であり、その点では大半の計算資源発表より誠実だ。

呉氏は行き先を明確に語った。

機械が「思考」の主たる担い手になりつつあり、知能は大規模に供給されるコモディティへと変わりつつある。

さらに同氏は、この時代の真に画期的な製品はまだ登場していないと述べ、AIコーディングを「機械知能時代の電球にすぎない」と表現した。初期の応用であって、目的地ではないという意味だ。

アリババが認めた制約

呉氏は、AI需要に応えるためにあらゆる資源を動員していると述べる一方で、AIデータセンターのサプライチェーン全体にわたる世界的な不足が拡張ペースを制約していると認めた。能力を誇示するための基調講演としては、注目に値する認め方である。中国企業が割り当てを受けているのは先端ロジックだけではない。広帯域メモリ、先端パッケージング、電力設備、送電網への接続をめぐって、他社と同じ逼迫した市場で競っている。競争力あるアクセラレータを設計する部分はアリババが制御できる。それを十分な数だけ作り、電力を供給する部分はそうではない。

本当の主張はフルスタックにある

チップは、基調講演で積み上げられたポートフォリオの一片にすぎない。T-HeadのZhenwuアクセラレータ、YitianのCPU、Panmaiのスマートネットワークカード、自社製インターコネクト。Qwenモデルを支えるアリババクラウド。そして同社がQwen Intelligenceと名付けたオンデバイス層。副会長のジョセフ・ツァイ(蔡崇信)氏はこう述べている。

アリババはフルスタックAIの構築に確固として投資し、AIを技術的ブレークスルーから価値創造へと進める。

中国国外で、シリコンから消費者向けモデルまで同等のスタックを運用しているのはGoogleだけだ。この構造は誇示ではなくヘッジである。自社でアクセラレータを設計し、自社のクラウドを運用し、自社のフロンティアモデルを学習させる企業は、各層が個別には西側の最高水準に届かなくとも、次の輸出規制強化を生き延びる経路を持つ。アリババの研究チームはさらに、モデル自身が実験を設計・実行する「再帰的自己改善」と呼ぶ方向も進めている。これは研究上の方向性であって、出荷済みの能力ではない。

市場の読み

発表を受けてアリババ株は約5%上昇し、1カ月ぶりの高値をつけた。同じ朝、テンセントは新しい混元(Hunyuan)画像モデルのプレビューを公開して6%超上昇し、香港のAI関連銘柄は全般に買われた。投資家は、米国の輸出許可を必要としない中国の計算基盤を織り込み始めている。V900の量産時期は、その価格付けが正しいかどうかの試金石となる。

Sources: Alizila(アリババ) · ロイター(Daily Sabah経由) · ロイター(Investing.com経由) · AP通信 · South China Morning Post · Bloomberg · Investing.com 分析記事

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