人工知能
トランプの「AI Force」が実体を持った。議長は国家情報長官、憲章は「過剰規制の防止」を命じている
トランプ大統領は日曜、Super Intelligence Force の構成を明らかにした。議長はジェイ・クレイトン国家情報長官、副議長にFTC・国防省・OPMの長が並び、報告期限は120日。憲章はAI由来の脅威への対処計画を求めると同時に過剰規制の防止を命じ、5日前のホワイトハウス協定が欠いていた侵害報告の仕組みの見直しも指示している。
MAI
15日前、ドナルド・トランプ大統領は「AI Force」の創設を告げた。所掌も予算も所属省庁も、率いる人物の名前もなかった。日曜、その中身が埋まった。名称は Super Intelligence Force、議長は国家情報長官、そして米国にとってこの技術が何をなしうるのかを大統領に報告する期限は120日である。構成と憲章がこの件のすべてであり、そのどちらも、9月に業界自身の安全論者が指し示していた方向を向いていない。
トランプ大統領は Truth Social で次のように発表した。
Super Intelligence Force は、米国が Super Intelligence において世界を先導し続けることを確実にするための連邦政府の取り組みを調整する任を負う。これは産業革命やインターネットより大きいと多くの人が言うものであり、すべてのアメリカ人の利益を守り、その生活を改善するものである。
誰が入っているのか
| 役割 | 人物 |
|---|---|
| 議長 | ジェイ・クレイトン国家情報長官 |
| 副議長 | アンドリュー・ファーガソン連邦取引委員会(FTC)委員長、エミール・マイケル国防省研究・工学担当次官兼CTO、スコット・クーパー人事管理局(OPM)長官 |
| 報道で名前の挙がった構成員 | JD・バンス副大統領、ピート・ヘグセス国防長官、スコット・ベッセント財務長官、スージー・ワイルズ大統領首席補佐官 |
| 報告先 | 大統領およびワイルズ氏 |
| 期限 | 120日以内の報告 — 2027年2月初旬 |
名前の列ではなく機関の集合として読めば、これは情報コミュニティ、独占禁止・消費者保護の規制当局、国防省の研究・調達部門、そして連邦職員を管理する機関である。技術の政府利用を調整し、その周辺の市場を取り締まるために作られた委員会だ。モデルが何をできるのかを測定するために作られた組織ではなく、報じられた構成に標準化・評価を担う機関は見当たらない。
クレイトン氏自身の経歴がこの点を際立たせる。2017年から2021年まで証券取引委員会(SEC)委員長を務め、その後ニューヨーク南部地区連邦検事を務め、8月に国家情報長官に就任した。テクノロジー業界での経歴はない。ウォール・ストリート・ジャーナルは、9月にトランプ大統領が「高IQの人物のみ応募可」と書いて約束したAI皇帝(czar)の役も同氏が兼ねると報じた。
憲章には二つの半分があり、後半が前半を規定する
憲章から引用されている一文はこうだ。
社会に対する SI 由来の脅威への対処計画を策定する。同時に、イノベーションと競争を阻害するような過剰規制と規制の虜(regulatory capture)を防ぐ。
一文の中に二つの任務があり、その接続が重要だ。前半は脅威対処の任務である。後半は、その前半をどのように果たしてよいかに対する制約である。過剰規制を防ぎながらAI由来の脅威に備えよと命じられたタスクフォースは、作業を始める前に上限を手渡されている。
120日報告が扱うのは、リスクと機会、連邦政府が何に責任を持つべきかの提言、そして既存の侵害報告(breach reporting)の仕組みの見直しである。報じられた憲章には、公開前の新モデルを検査すること、あるいは安全基準を提案することを指示する文言はない。
見直しを命じられた唯一の穴は、協定が作った穴である
この任務の中で最も興味深いのは侵害報告の項目だ。その5日前に起きたことを踏まえればなおさらである。9月29日、Google、Anthropic、Meta、OpenAI、Nvidia、xAI の経営陣が「ホワイトハウス Super Intelligence 協定」に署名した。トランプ大統領はこれを「道義的に拘束力がある」「ほとんど憲法のようなもの」と呼んだ。協定は各署名企業に、危険な能力に対する社内統制の運用、その統制が機能していることを検証する社内チームの設置、外部監査人の起用、そして結果を独立した取締役会委員会に報告することを求めている。
協定が求めていないのは、何かを政府や公衆に伝えることである。罰則はなく、監査人は監査される企業自身が選び、発見事項は取締役会で止まる。つまり政権は、侵害報告を何も含まない協定を取り仕切ってから一週間足らずで、侵害報告を見直せとタスクフォースに命じたことになる。見直しは義務づけではないが、この順序は一つの自認である。
できないこと
大統領が憲章を与えたタスクフォースができるのは、招集し、報告し、提言することだ。情報開示を強制することも、試験基準を定めることも、導入に何らかの条件を付すこともできない。持続的な効力を持つ手段は別の場所にある。9月29日に署名された大統領令14434は、大統領科学技術補佐官(APST)に60日 — おおむね11月28日まで — の期限を与え、連邦法上の「super intelligence」の定義にあたる立法案文を議会に送るよう求めている。それが実現するまで、同令はこの語を合衆国法典第15編9401条(3)の既存の「人工知能」の定義に結びつけている。将来の連邦規則が接続する先は法律上の定義であり、だからこそこの期限のほうが120日より帰結が大きい。
一方で、政権のもう一つのAI法務プロジェクトは逆向きに走っている。12月の大統領令は司法長官に、州のAI法を専占(preemption)を理由に争うよう指示しており、現在米国で成立しているAI固有の責任法の大半は州法である。
9月にフロンティア各社がワシントンに求めたのは、自社システムが何をできるのかを把握できる政府と、限度について協調するための法的余地だった。10月に手にしたのは、国家の最高情報責任者が議長を務め、AI由来の脅威に備えることと、それを作る企業を過剰に規制しないことを一文の中で同時に命じられた閣僚級委員会である。その一文のどちらの半分が支配するのかは、2月の報告書で読み取れるはずだ。
参考資料: PBS NewsHour: Trump names national intelligence director Jay Clayton to lead a new federal AI task force · ABC News: President Donald Trump announces creation of 'Super Intelligence Force' AI task force · Washington Examiner: Trump announces 'Super Intelligence Force' led by DNI Jay Clayton · Fox News: Trump launching 'Super Intelligence Force' to ensure American dominance · TechCrunch: Trump unveils his new Super Intelligence Force · CGTN: White House AI task force will prevent 'overregulation' · Implicator.ai: Jay Clayton leads Trump's 120-day AI task force · Straight Arrow News: Trump announces a new 'Super Intelligence Force' after signing order renaming AI · The Globe and Mail: Trump picks intelligence chief Jay Clayton as AI czar, report says · Unite.AI: Trump announces Super Intelligence Force led by four officials · White House: Inaugurating the Era of Super Intelligence (EO 14434) · White House: Fact Sheet — President Donald J. Trump Inaugurates the Era of Super Intelligence · Al Jazeera: How does Trump's White House AI accord work? · Tech Times: White House AI safety accord has no penalties, no breach reporting, self-chosen auditors